2012年10月2日火曜日

「児島善三郎と中村研一 福岡ライバル物語」展、まもなく開幕です。

こんにちは。いつもブログを見てくださっているみなさま、ありがとうございます。

気づけばもう10月。だんだん涼しくなり、さわやかな秋晴れが続いていますね。

福岡県立美術館では、10月6日(土)より、「郷土の美術をみる・しる・まなぶvol.4 児島善三郎と中村研一 福岡ライバル物語展」を開催いたします。

福岡県生まれの洋画家、児島善三郎(1893~1962)と、中村研一(1895~1967)。
運命的な出会いを果たし、同じ時代を生き、日本の近代洋画を背負った二人の画業を“ライバル関係”に注目してご紹介いたします。彼らの代表作をはじめ、約60点の素敵な作品たちがみなさまをお待ちしております。
さらには、クロストークやギャラリートーク、講演会をはじめ、週末のイベントも盛りだくさんです。

芸術の秋、ぜひとも福岡県立美術館においでください。
スタッフ一同みなさまのお越しをお待ち申し上げております。

次回のブログでは、展覧会のイベントについてお知らせいたしますので乞うご期待を。

児島善三郎「静物」1949年、福岡県立美術館

中村研一「車を停む」1932年、北九州市立美術館



以下、展覧会内容のご紹介です。
 
 かつて、福岡県立中学修猷館には「パレット会」という絵画同好会がありました。児島善三郎を中心として結成された同会には、中村研一や、弟の中村琢二をはじめ、若い才能が集まったのです。その後、夢を叶えて画家になった児島と中村は、極めて対照的なコースを歩みます。独立美術協会を結成し、在野の雄となった児島。一方、帝展から日展に及ぶまで、官展の重鎮であり続けた中村。在野と官という立場上の違いに加え、色彩豊かで装飾性に富む画風の児島に対して、端正で力強い写実的な画風の中村というように、作風もまた異なりました。しかし上京後には、代々木に住む芸術家や美術愛好家からなる「アンボールの会」で交流したり、ほぼ同時期にフランスへ留学したり、福岡出身の在京芸術家による親睦団体である筑前美術会に参加するなど、二人の交友は福岡を離れた後も続きました。さらには、それぞれが画業の円熟期を迎えた昭和7(1932)年に、児島善三郎が初の画集を刊行した際、中村研一が寄せた「又児島とこの間のように二人つ切りで福岡言葉であのころのことを話して見たいと思つてゐる。君と僕の交遊もこれで廿二年になるのだ」という修猷館時代の思い出を語る一節からは、学び舎を巣立ち広い世界へ羽ばたいた後も、互いにかけがえのない存在であり続けたことがわかります。
 時にはぶつかったり、争ったりしながらも、絵を描くことで切磋琢磨しあい、それぞれの夢や理想を実現した児島と中村。児島没後50年を記念して開催する本展では、児島善三郎と中村研一という、近代日本の洋画壇に輝いた二つの巨星が織りなしたライバル物語を、約60点の作品によりひも解きます。


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郷土の美術をみる・しる・まなぶ vol.4 児島善三郎と中村研一 福岡ライバル物語

会期=2012年10月6日(土)~11月25日(日)
休館日=月曜日(ただし祝祭日の場合は翌火曜日休館)
会場=福岡県立美術館 4階
時間=午前10時~午後6時(入場は午後5時30分まで)

観覧料=一般300円(200円)、高大生140円(100円)、小中生60円(50円)
*( )内は20名以上の団体料金
65歳以上の方は割引料金(200円)
*次の方々は無料=家族の日(11月18日)の入場者全員/身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方およびその介助者/教員引率による児童・生徒およびその教員/会期中土曜日の高校生以下