2012年5月16日水曜日

ミュージアムウィークを開催しています

こんにちは、ブログ担当のYTです。
久しぶりの投稿となってしまいました。

さて、今、「福岡ミュージアムウィーク」というのが開催されているのをご存じですか?
http://f-museum.city.fukuoka.lg.jp/events/

福岡ミュージアムウィークとは、「国際博物館の日」(5月18日)を記念して、福岡の美術館・博物館が連携し、さまざまなイベントを通して、「出会いの場」、「知識の場」、「発見の場」である博物館・美術館をアピールするものです。
福岡県立美術館、福岡市美術館、福岡アジア美術館、福岡市博物館など、ミュージアムウィークに参加する7つの館のうち、二か所のスタンプを集めて応募すると、素敵な商品が当たるスタンプラリーのほか、さまざまなイベントが行われています。

当館では、5月12日(土)~20日(日)の間、コレクション展に無料でご入場いただけます。

また、ミュージアムウィーク期間中は、コレクション展の会場内で、展示作品についてのクイズを実施しています。

6問中5問以上の正解で、高島野十郎の絵葉書セットや、5月25日から当館3階で開催される「永田萠展」の招待券をはじめ、素敵なプレゼントが当たります。
いずれも、作品をよーく見ればわかる問題になっています。
またじっくり見ることで、きっとさまざま発見や驚きがありますよ。
なお、今週末の19日(土)には、午後2時より学芸員によるギャラリートークも行われます。

この機会に、ぜひ福岡県立美術館にいらっしゃいませんか?
スタッフ一同、みなさまのお越しをお待ち申し上げております。



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2012コレクション展Ⅰ 特集 没後30年 鹿児島寿蔵 美しき紙塑人形のわざ
会期=2012年3月17日(土)~6月3日(日)
休館日=月曜日(ただし祝祭日の場合は翌火曜日休館)
会場=福岡県立美術館 4
時間=午前10時~午後6(入場は午後530分まで)






2012年3月22日木曜日

コレクション展Ⅰの出品作品リスト

こんにちは。福岡県立美術館ブログ担当のY.Tです。連日の投稿になりましたが、今日はコレクション展Ⅰの出品作品についてご案内しようと思います。


Ⅰ 特集:没後30年 鹿児島寿蔵 美しき紙塑人形のわざ

 鹿児島寿蔵
  *紙塑人形
  「車興し」1957
  「佐保比売歌ふ」1960
  「鵜川」1969
  「有間皇子」1978
  「ひなたぼっこ」1952年頃
  「太子孝養之像」1955年頃
  「紙塑香合 梅花文」1967年頃

  *短歌書
  「谷のそら」
  「秋早く」
  「頂より」
  「紙塑のわざは」
  「悼大野武氏」1973
  「有間皇子之歌」

Ⅱ もうひとつの特集:美術館は花盛り

 Ⅱ-1 日本画

【前期展示】
 尾形洞谷「牡丹図」1780
 尾形洞眠「花鳥図」1857
     「芙蓉図」1859
 福屋梅之丞「牡丹に唐獅子図」
 武本吉内「菊図」
 山中氏「桜花山鳥図」
 作者不詳「路頭桜図」
     「白蓮花図」
     「松竹梅図」
 大岡春卜「桜つづじ図」
 川辺御楯「牡丹禽鳥図」1904
 貴道草衣「佐保のさくら」1931
 松永冠山「行く春」1930
 浦志武火子「菊図」

【後期展示】
 尾形洞谷「水仙に雀図」1803
 尾形洞眠「花鳥図」1854
 福屋専吉「朝顔図」1764
 柴田貞吉「芙蓉図」1780
 ム田嘉助「花卉図」1784
     「牡丹唐獅子図」
 作者不詳「松竹梅図」
     「蓮花図」
 梅沢晴峨「花鳥図」
 上田鉄耕「花鳥図」
 水上泰生「山々の装ひ」1917

 Ⅱ-2 洋画
 
 黒田清輝「草花」
 吉田博「雲井桜」1899年頃 :前期展示
    「霧と花」     :後期展示
 熊谷守一「松虫草」1953
 坂本繁二郎「桜」1918
 髙島野十郎「すいれんの池」1949
      「ばらとりんご」1963年頃
      「けし」1966
      「さくら」
      「牡丹」
 児島善三郎「満開」1948
      「ダリア」1956
      「バラ(赤絵の壺にバラ)1960
      「虞美人草」1940年頃
 石橋美三郎「花」
 山村秀一「ダリア」1962
 中村琢二「仙丈岳を望む」1975
 野口弥太郎「月下美人と女性」1966
 井上正子「ひがん花」1980
 山田栄二「ミモザとアネモネ」
 古沢岩美「鹿子百合」1971
 大内田茂士「花」1954
      「四国の春」1979
 野見山暁治「枯れた花」1972年 :前期展示
     「ひまわり」1963年  :後期展示
 田淵安一「未来のエデン」1981
 板谷房「春」1963
 藤田吉香「風」1986
     「百花(2)1995
 松本英一郎「花と雲と牛」1997

 
 Ⅱ-3 工芸

 松枝玉記 久留米絣着尺「池辺の桜」1980
 高木秋子 木綿地風通織着物「菜の花畑」2001年   :前期展示
      木綿地風通織着物「ミモザの季節」1995年 :後期展示
 筬島鑛一「乾漆華形盤」1990
      乾漆食籠「菊」1993
 2代森山虎雄 久留米絣着尺「花と波紋」1992
 釜我敏子 型絵染着物「もじづり」1997年 :前期展示
      型絵染着物「麦秋」1988年 :後期展示
 佐々木厚 「象嵌鉢」1983
 倉島岱山「牙白瓷花」1999-2000


 Ⅲ 筑後出身の洋画家たち(近年の新収蔵品から)

 松本豊太「画室の二少女」1898
 松林千里「海への道」1937
 髙島野十郎「パリ郊外」1930-32
      「ぶどうとザクロ」1934
 倉員辰雄「南仏バンス風景」1964年頃
 水原房次郎「夏の夜 戦果をききいる少年達」1942
      「神話A1975
 尾花成春「石膏のある静物」1952
     「石膏のある静物(B)1953
     「風景 筑後川より」1987

 *前期展示:3月17日(土)~4月22日(日)
  後期展示:4月24日(火)~6月3日(日)



お目当ての作品はありましたか?鹿児島寿蔵はもちろんのこと、それ以外にも多くの作品がところせましと展示室に並んでいます。
みなさまのお越しを心よりお待ち申し上げております。

2012年3月21日水曜日

コレクション展Ⅰがはじまりました。

こんにちは。福岡県立美術館ブログ担当のY.Tです。
いつも福岡県立美術館ブログを見ていただいているみなさま、どうもありがとうございます。
3月17日(土)より、当館4階展示室ではコレクション展がはじまりました。
2012年度最初のコレクション展では、没後30周年を記念し、紙塑人形作家の鹿児島寿蔵を特集します。

明治31年、福岡市に生まれた鹿児島は、はじめ博多人形の技術を学び、その後テラコッタに取り組みます。さまざまに試行錯誤を重ねるなかで、奈良で見た塑像の仏像をヒントに、和紙という堅牢な素材の研究を重ね、「紙塑(しそ)」の技法を完成し、のちに重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されるのです。

こうぞとパルプに充填剤や粘着剤を混ぜ、長時間臼でつき、こねるという鹿児島の紙塑人形は、堅牢で虫害もなく、カビも生えず、少々の水や火にさえ耐えられるのです。そこに、自ら染めた和紙を小さくちぎって貼り、文様に金銀砂子を貼り重ねていくことで、独特の美しい質感が生まれます。このようにして、鹿児島は人形造形の可能性を大いに拡張したといえるのです。

鹿児島は、紙塑のわざを駆使しつつ、古今東西の伝説や風俗を主題とする人形を作りましたが、とくにその中核をなすのが、日本古代を主題とする作品群です。今回の展覧会でも、「磐代の浜松が枝を引き結び真幸くあらばまた還り見む」「家にあれば笥(け)に盛る飯を草枕 旅にしあれば椎の葉に盛る」(『万葉集』)という歌を残し、謀反の罪で19歳で処刑された悲劇の皇子である「有間皇子」をはじめとする作品を展示しています。


鹿児島寿蔵「有間皇子」1978年、当館蔵

また、鹿児島は、人形作家であるのと同時に、アララギ派の歌人としても著名でした。今回は人形と同時に、鹿児島自筆の短歌書もご紹介します。彼の幻想的な作風は、人形と短歌という二つの創造活動が互いに深く絡み合うことを通して生まれたものといえるでしょう。

また、今回のコレクション展ではもうひとつの特集があります。
「美術館は花ざかり」というテーマをかかげて、洋画、日本画、工芸の各分野から花をモチーフとした作品を多数展示しています。春から初夏は、たくさんの花が咲き乱れる百花繚乱の季節。
美術作品の中から、あなたの好きな花を見つけませんか?

なお、毎週土曜日の14時からは、学芸員によるギャラリートークも開催いたします。
皆さまのおこしを心よりお待ちしております。


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2012コレクション展Ⅰ 特集 没後30年 鹿児島寿蔵 美しき紙塑人形のわざ

会期=2012年3月17日(土)~6月3日(日)
休館日=月曜日(ただし祝祭日の場合は翌火曜日休館)
会場=福岡県立美術館 4
時間=午前10時~午後6(入場は午後530分まで)

2012年3月9日金曜日

ワークショップ「染めてつくろうボックスアート」

こんにちは。いつもブログを見てくださっているみなさま、ありがとうございます。

「糸の先へ」展も残すところあと3日となりました。今週は、平日にもかかわらずたくさんのお客さまに足をお運びいただき、また展覧会に対する嬉しい感想も多々いただき、スタッフとしても本当に嬉しい限りです。


講師の鳥谷さやかさん

さて、「糸の先へ」展では、週末にさまざまなイベントやワークショップを開催しています。

そのひとつで、3月4日(日)に開催されたワークショップ「染めてつくろうボックスアート」について、その報告を兼ねて、ご紹介しようと思います。
講師は鳥谷さやかさん。佐賀大学・大学院で染織を学び、在学中より日展に入選するほどの実力派、新進気鋭の染織家さんです。

今回のワークショップでは、シルクスクリーンという版画の技法を使って布を染め、それを箱形の作品に構成する、というもの。布と版画という意外なものたちが出会うことで、箱という小さな世界の中には一体どんな光景が広がったのでしょう。

朝の10時から夕方の4時まで、ゆっくり時間をかけて、自分だけの作品を創り上げるこのワークショップ。
というのも、染織には、染めるだけではなくて、定着、水洗、乾燥…というように、それぞれ時間のかかる行程がいくつもあるのです。





しかも、絵画とはちがって、思った通りのものが出来上がるわけではなく、色がにじんだり、混ざったり…。
でも、素材をコントロールできない不自由さや、どのようなものが出来上がるかと、結果を予測できないところにこそ、染織の面白さがあり、思いがけない発見がある。そんなことを、ゆっくりと流れる時間の中で、作品制作にじっくり取り組むことによって、感じ取っていただけたのではないでしょうか。
完成した小さな箱の中には、参加者それぞれのイマジネーションがぎゅっと凝縮した小宇宙が、見事に出来上がっていました。

参加してくださったみなさま、本当にありがとうございました。



★☆★ワークショップ参加者の作品★☆★



   












 


2012年2月29日水曜日

小さい人たちといっしょに

「うわあ、お魚がいっぱいいる!」

ある小さい人は会場に入るなり大喜び。

ただしこれ、水族館の話ではありません。現在当館で開催中の「糸の先へ」での話です。ゆらゆらと揺れる薄い布がまるで水の中の世界に見えるのでしょうか。

また別の小さい人は、整然と並んだかごの作品にひとつひとつ名前をつけて、お母さんに教えてくれたそうです。

「子どもを意識した展示ではなく、ただただ美しい展示だからこそ子どもの想像力が自由にふくらむんでしょうね」とはお母さんの言葉。

とてもうれしい言葉です。

小学校から団体見学もちらほら来てくれます。

担当のT学芸員は彼らにこんなふうに問いかけます。「とても美しいね。どうしてこんなに美しいのかな?」

細い糸、薄い布に触れた時、人は(体の大きい小さいに関わらず)みなその美しさにため息をつきます。それはまさしくそこに在るものが細く、薄いからこそ。

目では捉えがたき糸や布は、目以外の感覚でその気配をつかむことを促します。

いえ、より正確に言えば、人はそもそも身体全体でもって物の気配を感受しているはず。なのについつい視覚だけに頼ってしまいがちなのも本当。糸や布は、「目で見たいのにちゃんと見えない、けど気配はちゃんと感じている私がここにいる」という不思議をもたらしてくれるのです。

T学芸員は続けて言います。

「世の中には、この糸や布のように、目には見えないけどちゃんとある、ってものがたくさんあります。同じように、耳に聞こえないけどちゃんとあるってものもたくさんあります。その美しさに心の目や耳を傾けることを忘れずに、毎日を過ごしてくださいね」と。

小学生が書いてくれたアンケートにこんな言葉がありました。

「今日は『美しい』という言葉を知ることができて、うれしかったです。」

これもうれしい言葉です。

そして最後はお決まりの、作品といっしょに影絵遊び。楽しんで帰ってくれるのが、なによりうれしいことですね。

2012年2月23日木曜日

ちらりと会場風景を

「糸の先へ」展、いよいよ会期も折り返し地点となりました。

そこで会場風景をすこしご紹介しましょう。

まずは会場に入ってすぐに広がるのは、、、

















こんな空間。

手前には上原美智子さんが織る「あけずば織」。まるで空気のように薄い布。
左奥には築城則子さんの小倉織の帯がかかり、右奥には堀内紀子さんの「浮上する立方体の内包する空気」が浮かんでいます。

そして奥の黄色い壁を超えると、、、

















向こう側には志村ふくみさんの「半蔀」が。
手前に伸びているのは福本潮子さんの着尺、中ほどにかかっているのが築城則子さんの帯、奥のケースに並んでいるのが鈴田滋人さんの着物です。

くるりと回るとこんな風景も。

















左の壁には福本潮子さんの藍染によるタピスリーがかかっています。奥には志村ふくみさん、松枝哲哉さんの着物が並んでいます。

そしていよいよ最終コーナー。

















手前のケースには関島寿子さんのかごが並び、奥には福本繁樹さんの屏風などが広がっています。

あれ?nui projectがありませんね。

それは会場に来ていただいてからのお楽しみ、ということで。

2012年2月8日水曜日

始まりまして、ごあいさつ

「糸の先へ」展、2月4日に無事オープンし、来場者の皆さまをしずかにお迎えしているところです。

本日4日目、オープンしてはじめてのブログ更新でごめんなさい。

まずは改めて、ごあいさつを。

、、、といっても、会場入口に掲示しているあいさつ文ではありますが。

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 福岡県立美術館はこれまで近代工芸の歴史や状況を検証する展覧会を数多く企画してきました。その成果を引き継ぎつつ、このたび染織工芸やファイバーワークを対象とした展覧会「糸の先へ」を開催します。

 本展で紹介するのは、いまも現役で作品をつくり続けている10組の作家たち。人間国宝(重要無形文化財保持者)である志村ふくみと鈴田滋人を筆頭に、築城則子、松枝哲哉は伝統工芸の世界に現代的な感性を込めて活躍しています。空気のように軽やかで、光のようにきらめく作品を生みだす上原美智子と堀内紀子。染めの本質を追究し、その可能性を広げ続けている福本繁樹と福本潮子。関島寿子のかごは手と素材、作家と自然との交わりをダイナミックに見せてくれます。ヌイ・プロジェクトによる無垢な刺繍は私たちの目を圧倒すると同時に、心を癒してくれるでしょう。

 作品のスタイルは各人各様ですが、そこから共通して浮かびあがるのは細く長い糸、薄く軽やかな布が導く深く穏やかな世界。物理的には存在感も頼りない糸や布が、だからこそ私たちと親密な関係を紡ぎだし、一人ひとりに安堵と抱擁感をもたらしてくれます。糸や布の存在感とはむしろ、その輪郭の内にあるものではなく、私たちを含めた外との関係性のなかで立ち現れるものではないでしょうか。

 作家たちもまた糸や布に導かれて手を動かし、手を動かすことで自身の存在を確かめようとしているのかもしれません。そして作品を見る私たちは、彼らが重ね合わせる生を通して一本の糸の計り知れなさ、一枚の布の懐深さを改めて知り、私たち自身の生をも見つめ直すのです。

 糸という物質の先端を手につかみ、その先に広がる生の奥行きに足を踏み入れること。本展の試みはここにあります。最後になりましたが、本展に惜しみないご協力を賜りました10組の作家方をはじめ、貴重な所蔵作品をお借りしました方々など関係各位にお礼を申し上げます。


20122

福岡県立美術館