2010年11月12日金曜日

土、さわれます

展示室のほぼ真ん中あたりに土(と粘土)が展示されています。透明のアクリルボックスに入って、どっかりと。

大人の方からは「展覧会になぜ土が展示されているんですか?」とのご質問を受け、子どもたちからは「わー!粘土遊びしていいの?」との誤解を受けることもしばしば。

お察しのとおり、中身は小石原で採れる陶土と小鹿田で採れる陶土です。

小石原焼と小鹿田焼は兄弟窯で、装飾の技法も共通していますが、決定的に異なるのが使っている土。見た目にも色がちがうのですが、この土の性質によって、焼成温度も成形の具合も微妙に異なり、装飾技法の活かし方もちがってきます。

いくら優れた陶工でも、自然(土)をまったく意のままにてなづけることは至難の業。むしろ、土に手を添え、土の意志を活かすことで魅力的なやきものが生まれます。

そんなことをすこしでも感じてもらえれば、と願ってのこのコーナー。通常は触れないようにフタをしていますが、スタッフにリクエストくだされば触っていただけます。


こんなふうに。まるで土遊びですが、最近は土に触れることも少ないようで、まあ、よしとしましょう(笑)